春望録

国破れて山河あり

LANケーブルを自作するメリットについて

LANケーブルが必要になったので、自作の作業がてら自作するメリットについてあらためて考えてみた。 これから作る人に向けたメモを残しておく。

TL;DR

ケーブルは作るものじゃない。買うものだ。

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作り方 Tips

その前に、作り方について。

Cat 6のUTPケーブルを自作している。 以下のサイトを参考に道具や材料を揃えた。

そこに書いてなかったことで(書いてはあるがあらためて重要であると思っていたことも含めて)、以下の点を留意している。

1. 導線の "より"戻しは超重要。作業性に大きく影響する。 2. 良く切れるニッパを使うこと。導線は斜めにカットした方がコネクタに入れやすい。 3. コネクタをケチってはいけない。高いものほど作業性が良い。 4. コネクタを付けたら、圧着前に配線を確認すること。ここで間違いに気づければコネクタと時間のロスを防げる。

(それぞれの詳細は後の方に書いた。)

費用について

初期投資として、圧着工具(必須)、ニッパ(必須)、スパイキ(推奨)が必要。ケーブルを剥くための工具などもあり、工具にこだわれば他にもいろいろ候補は出てくるが、今のところ上の3点とカッターで何とかなっている。

また、LANケーブル用のテスターも必要(必須)。安いのは、導線の1番~8番まで順番に通電させて、配線をチェックするタイプのもの。逆に通信品質までテストするような機械は高いので、素人には手が出せない。

工具と簡易テスターで\5,000~10,000くらい必要となるけど、後の試算には含めない(一生その工具でケーブルを作り続けるため、無視できるほど1回あたりの費用は小さいものと仮定して。実際、100m分作るだけじゃまったく元は取れないだろうし。)

材料は、以下を購入した。

エレコムのcat6 100m ケーブル \5,350 日本製線 Cat.6 モジュラープラグ(24AWG)50個 ブーツ付き \4,320

ケーブルもコネクタも、cat5eでよければこれより安い。

ちなみに、エレコムのケーブルは箱の上に穴が空いてて、必要なだけ引っ張り出すスタイルになってるけど、箱の中でねじ曲がってることに気づかなくて、引っ張り出すときに「うわ、断線したんじゃない?」と思うことが何度かあったので、もう買わない。今後はケーブル日本製線のを買おうと思う。

この材料を使ってケーブルを作る場合の費用を試算する。 それぞれの単価を 53.5円/m 、コネクタ 172.8/2個 とすると、下表の通り。

長さ 費用
0.5m ¥200
1.0m ¥226
2.0m ¥280
3.0m ¥333
5.0m ¥440
10.0m ¥708
15.0m ¥975
20.0m ¥1,243
30.0m ¥1,778
50.0m ¥2,848
100.0m ¥5,523

 

ケーブルの単価表みたいのがあれば比較したかったけど、誰もが共通認識とできそうな表が見つけられなかった。(説得性があるのはAmazonで1つずつ検索して最安値を掲載するくらいだろうが、それでもケーブルの長さにと金額は必ずしも比例していない。需要のない長さのケーブルは高いのかも。)

印象での比較になるが、10m~を越えたあたりから、市販ケーブルよりもコスパは良いように思う。 逆にそれより短いケーブルは、コネクタの費用に圧迫されてコスパは良くなく見える。

メリット

というわけで、きちんと考えれば、わざわざ作るメリットはないと思う。

作り方(これを伝えたいがために作り方を書いた、という意図がある)を読めば、全体を通して面倒な工程で、作業しながら気をつけることは多いし、出来たケーブルは売り物より信頼性が高いわけではない。通信品質までチェックできるケーブルのテスターを導入すれば信頼性を上げることは出来るかもしれないが、いよいよ割に合わないと思う。

「ネットワークの勉強をし直すにあたり、低レイヤーから順番に知識を点検しよう。まずはケーブル作りだ!」という意気込みでケーブルを作り始めてしまったが、まともに1本作れるようになるまで思ったより時間と費用が掛かってしまった。意義はあったと思うが(信じたいが)、おすすめは出来ない。あまりこういうことを書いているサイトがなかったので、書いてみた。

個人的意見としては、自分の書いたルータやスイッチのConfigが、自分の作ったケーブルを伝わって想定通りに動き出したときの達成感は、市販のケーブルで機器を繋いだときのそれよりも大きい気はするので、趣味としては(DIYっぽい)満足度が高く、アリだと思う。

あと、8本の導線をまるでデタラメに配線したケーブルは動かないが、微妙に配線を間違ったケーブルや、配線はあってるけど、コネクタへの導線の差し込みや圧着が不十分で接触不良なケーブルも、普通に使えてしまった(iperfでスループットも測ってみたが、そんなに変わらなかった)。 店の入口とかでまとめ売りされてるメーカ不明のぁゃしぃ安ケーブルや出所不明の手持ちケーブル、自作ケーブルなどは、大事な箇所では使っちゃだめだな、ということがよくわかった。

作り方についての補足

「それでも作ってやるわい!」という同士のために、上に書いた 1~4 についての細かい補足をする。

「1」については、参考サイトでは「指の腹で優しく~」みたいに書かれていたけれど、指は痛いし、線はのびないし、まあこんなもんかなーと思って作業してたら、コネクタにまともに入っていかなくて失敗した。

何とかならないかなーと思いつつ後日ヨドバシカメラのLANケーブルコーナーを見ていたら、以下の製品があったので購入。

https://www.youtube.com/watch?v=o1BQvupE0a4

先の小さなドライバー(+0とか+1あたり)でも同じことはできるけど専用工具の方が導線を傷つけるリスクが低いかな、と思って購入。みるみる作業性が良くなって失敗率が下がった。

「2」についてはそのまま。導線は思ってるよりも硬くて、何回も切ってると手が疲れてくるので、良く切れるニッパを買いましょう。斜め切りについては、ロードバータイプのコネクタを使う場合はいらないかもしれない。 LANケーブルの切断ができる圧着工具を買ったが、まともに切れなかったので、切断できる大型のペンチも買う羽目になった。1台n役の圧着工具は”それなり”の品質なのだと思い、ここは圧着専門の工具とニッパを別に買った方が安上がりかもしれない。

「3」について、参考サイトにあるロードバー付きのコネクタで10個入りは販売終了のため、100個入りを買わなければならない。そうすると5,000円くらいしてすごく高いので、隣にある安いロードバーのないタイプを選んでしまったが、それも失敗だった。

8本ある導線を手探りで1つずつ小さな穴に間違いのないように通していく作業は、気が遠くなるほど時間がかかるし、あとで間違いに気づいたら、間違えた線まで戻らなければならない(「2」で書いたように、入れやすいようわざわざ斜めに切っているくらいなので抜いて指し直すすときも、その逆を辿らないと、元に戻せなかったりする。)のだけど、そうなったらもう絶望するしかない。

そこで、少し値の張る日本製線のコネクタを買うことにした。

https://www.youtube.com/watch?v=nT4yWNqfji4

この動画を見ていると、たしかに手でより線がきれいに戻っている。指痛くないのかな・・・。 (日本製線の導線自体、伸ばしやすく出来ているのかも。)

「4」については未だに忘れて残念な気持ちになることが多い。圧着してから間違いに気づいたら、コネクタを切り落として再度やり直しなので、コネクタと時間が無駄になる上に、計画よりもほんの少し短いケーブルができあがることになるからだ。

最後に

LANケーブル自作は割に合わない、ということを伝えるために、思いのほか長い文章を書いてしまった。

LANケーブルの規格や長さがわからずイラっとした個人的経験から、作ったケーブルには、長さと規格をメモったファイバータグを付けている。また、使わないLANケーブルは箱に重ねて入れると絡まってしまうので、マジックテープタイプの結束テープでまとめている。つくづく「これは趣味の領域だな...」と思う。