春望録

国破れて山河あり

「簡易生活のすすめ」を読んだ

10年前に京都で打ち上げ花火を上げて遊んでいた人(詳細は忘れた)が本を出していたので、買って読んでみた。

小中学生相手に社会科を教えるお仕事をしていた際に、明治維新〜太平洋戦争あたりの歴史に興味はあるものの、具体的な「明治人」のイメージが全くつかないため、「明治維新!富国強兵!文明開花! 受験に出ますよハイでます!(5・7・5・7・7)」とひたすらに知識を詰め込みさせていたと言う心の痛い過去を持っている。

そのことは棚上げにしたとしても、最近では東京の街歩きをしている際に「明治」を感じる瞬間が増えてきたので、「明治人を知りたい」欲がちょうど高まりつつあった。

なるべく衣食住・人付き合いを単純にして、ストレスフリーで理想の生活を追求しつつ、仕事や趣味に没頭しようしていた人たちの記録が紹介されている。

その発想と実践は、虚礼を排し、実用を重じた合理的な生活をしようとしている一部の現代人たちに通じるものがあるな、と感じるとともに、自分が理想としている生活にも近く、客観的な説明を他人に求めされた際に参考としたい内容であった。

簡易生活の詳細とまとめは本書に譲るとして、以下の一節にて、私の手は思わず止まった。

簡易生活では趣味がなければ生活もないし、生活がなければ趣味もないとされている。

(中略)

趣味は個人で楽しむものであり、その世界では他人の評価に意味などない。

他人と同じことを、いや、他人よりも特別なことをした時間の写真をSNSに”映え”させるのを趣味とした現代人たちよ…と、(自分も含めて)戒めになる一文であった。

他人と自分を重ね合わせたり、比較することで得られる感情は、本来の「幸福」ではないし、その行為は「趣味」ではなく、簡易生活からは程遠い、疲れる生活を生み出す行動である。

日々失敗だらけ間違いだらけの生活を送っている私だが、失敗を恐れず改善すればそれで良い、と言うのが簡易生活の始め方に習い、ガンコを抑え、学びを増やしながら、理想のくらしを追求していきたい。